「軽トラにふくろう積んだ車ですよ」
父から届いたSMS。
まったく意味がわからない。
ふくろう・・・?
確かに今年動物園ブームが来てふくろうも好きでよく撮ってる。
でもそんなこと父に話したっけ(話してなどない)
それに、今日家族が集まったのは、みんなでおばあちゃんのお見舞いに行くためだ。
ふくろう積んでるってどういうことよ。
施設へ向かう前にコンビニで落ち合うことになっていた。
冒頭のSMSは先に着いた父が自分のクルマを教えるために発信したものだ。
「軽トラにふくろう積んだ車ですよ」
そうはいってもふくろうなんて・・・いるわけ・・・
いた
うじゃうじゃいる
〆といたから
密猟感 is ある
ふくろうじゃないのも
目ヂカラハンパない
ばあちゃんのお見舞いを終えて駐車場でだべる。
いろいろとあった家族だったけどみんなおとなになった。
お互いの近況をテキトーに話しつつ、話題は軽トラのふくろうに。
このふくろうは父がチェーンソーを使って丸太から削り出して作ったものだった。
どこでそんなことをしているのかといえば福島県古殿町。東日本大震災の影響で仮設住宅に住んでいる人を元気づけたいという思いから始めたのだという。
いつから災害支援をやっているのか。新潟県の中越地震のころから。その後も三宅島の噴火や福島県の東日本大震災に対して取り組んできたのだという。
なにがそこまで父を駆り立てるのか、わからない。
でも単純にすごいなと思った。
父は「現地で動くこと」が大事だといった。外からではなく中に入って、短時間じゃなくてじっくりその土地で暮らして、やってみることが、やり続けることが大切だと言っていた。
ふくろうは売り物でもあった。
いまはふくろうで生計を立てているのだという。
1体どれくらいの時間でつくるのかと聞けば小さいものなら1日との答えが返ってきた。売値と利益を考えるとそれくらいの時間でやらないといけないそうだ。
生計を立てるための(生計を立てられる)仕事なんだ。
と理解したら、福島で頑張ってるお父さんすげぇなぁと単純に感動した。
こんなことやってるんだぜと写真を見せてきた父は誇らしげだった
▼売られていったふくろう/丸太は裏山から/加工されたふくろうたち
甥っ子の写真を撮るために持っていったカメラ。
軽トラのふくろうたちを撮りまくった。
被写体を見つけると撮らずにいられない病気なのだ。ふくろう好きだしね。
「ふくろう好きなのか」
「好きなの持っていっていいよ」
ネタになりそうだから撮っていただけでほしいわけじゃない。
木彫りはデカイし重いし。
だが、ここまで撮っておいて、いらないとは言えない。
数体ありがたく頂戴することにした。
おばあちゃんのお見舞いノートには「また来るよ」と綴った。
それから3ヶ月。たったの3ヶ月しか経っていないのに…。
…
…
…
その日は生と死を歌うファンタジーユニット「STARMARIE」の凱旋ライブを見に栃木まででかけていた。楽しかったライブ。これから埼玉まで帰ろうと東北道を飛ばしていたらケータイがずっと鳴り続けている。
電話の主は父だった。
「また」の機会はなくなってしまった。
父は自分の載った冊子を大事そうに箱の中へ添えた。
見てくれるといいねと私も心の中で願った。
四十九日。
ばあちゃんのことで集まるのは今年3回目。
父がおもむろに口を開く。
「ダーツの旅にでるかも」
「こないだロケにきてな」
ま、まじかーー!!!
放送日は7月25日予定だという。
放送日の前の週、7月18日もしっかり放送を確認。
放送終了後にHPを見たらたしかに載ってた。
今回のダーツの旅は福島県古殿町(ふるどのまち)!そこで出会ったのは・・・ 福島一強い、小学生ミニバスケットチームや天才?ソフトボール少女、 大笑いするお母さん、とんでもない物をあげようとするお父さんなど素敵な町人が 大集結! さらに絶品地元飯の福島牛のステーキにスタジオはヨダレが止まりません。 この町にはステーキな町人さんばかりです。
概要には「チェーンソーアート」の文字がないので、本当にでてくるかは放送されるまでわかりませんが。ロケに来たからには放送されてほしいなぁ。
果たして…映るか、カットか。
ばあちゃんのためにも映ってほしいけど、どうだろう。
放送が楽しみです。
2018年7月25日(水)夜7時56分〜
チェーンソーアート文化祭、毎年10月に大会を開催していて、父も何度か出場しています。
今年は見に行ってみようかな。
おもしろそうです。お近くの方はぜひ。
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